同時に単純で複雑な驚きのコトバ

2024-05-17

単語を学ぶトキ、漢字一文字が時に意外と長い読み方になっていることに気づき、ワタシは驚いた。漢字一文字は単純な単語に見える反面、読み方が4字以上になってからは複雑な単語にも見えてくる。それらの単語をどのように受け取ればいいのだろうか。単語を学ぶのに当たり、それらの単語は確かに壁のように感じられる。

(みずうみ)
(いしずえ)

(うけたまわ)

(こころざし)
(まつりごと)

直感と見た目の食い違い

しかし、それらの単語を学んだトキ、フに落ちないことがあった。単語を読んだところ、その読み方の一部に心当たりがあるような気がした。「みずうみ」はワタシが初めて学んだ単語の一つだ。「みずうみ」を、大体「みず」や「うみ」と同時に学ぶ。そして、「みずうみ」が「みず」+「うみ」に見えるのはワタシだけではないだろう。直感では「みずうみ」は複合語だと知っている。しかし、見た目では「湖」は複合語に見えず、確信が持てない。

辞書も直感を認める

外国人の直感は間違うことがあり、より信頼性のある情報資源に頼る必要がある。そこで、「みずうみ」を辞書で引いてみたところ、「水海の意」という説明を見つけた。「湖」=「水海」であれば、やはり「水海」=「水」+「海」なのだろう。その場その場の直感は確信に変わりつつあった。「みずうみ」はやはり複合語だ。皆さんもぜひお好きな辞書で引いてみてください。

新明解国語辞典より

みずうみ ミヅウミ [3]【湖】 〔水海の意〕まわりを陸に囲まれて水をたたえた所。〔池・沼より大きくて、深い〕

大辞林より

みず-うみ ミヅ― [3] 【湖】 〔水海の意〕 周囲を陸地で囲まれたくぼ地で水をたたえた所。池や沼よりも大きく,沿岸植物が生育できない深い湖盆(5メートル以上)をもつもの。

複合語は単純語へ変化する

いくつかの単語を組み合わせることで、もっと微妙な意味を持つ単語を作ることができる。昔々、「みず」や「うみ」という単語があり、それらを組み合わせて「みずうみ」という単語を生み出すことで、人は「みず」や「うみ」では表せない意味を表せるようになった。そのアト、便利な「みずうみ」は普及し、やがて「みず」や「うみ」と同様に単純語として認識されるようになった。今では、「みずうみ」は分解するのが難しく、複合の度合いが強いと言える。

より直感に沿った見た目

「みずうみ」を「湖」として書かなければならないのだろうか。確かに「みずうみ」の意味も「湖」の書き方も分解できない面で合理的だ。しかし、「みずうみ」は「みず」にも「うみ」にも関連している。「みずうみ」=「みず」+「うみ」という歴史もある。「水海」という書き方の方がその歴史を雄弁に語っているのだろう。漢語を書かなければ、「湖」という字は使わなくて済む。「水海」の見た目は最初はなじめないかもしれないが、その見た目が一般的になれば、皆もすぐになじむだろう。

(みず) (うみ)

(いし) ()

() (たまわ)

(こころ) ()

(まつ) (ごと)